「開脚」というと、何となく“女性向けのもの”というイメージを持つ人が多いと思います。女性が理屈抜きで「きれいな180度開脚をしたい!」と望む方が多いのに対し、やや理屈っぽい傾向のある男性の場合、「開脚なんかやって何の意味がある?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

開脚は特にデスクワーク中心に働く男性にもピッタリだと思います。

そこで今回は、【男性こそ開脚ストレッチをやるべき理由】をご紹介致します。

 

ホルモンバランスと筋肉量の影響で、男性は股関節の筋肉が硬くなりがちです。しかし、女性に比べ狭くて縦長な形の骨盤は、開脚動作に向いているように思います。日頃「あぐら」をかくなど、男性は股を開く動きにじつは慣れ親しんでいるのです。

別に開脚できないからといって困るわけではないのですが、数あるストレッチのうち、開脚という動作の運動効率がいいのは間違いありません。なぜなら、股関節は体の中で肩の次に動かしやすい関節で、体でもっとも筋肉が集まっている部分だからです。

 

【開脚するとねこ背が改善】

開脚で得られるメリットはいろいろありますが、1つは見た目が変わることです。仕事上でも相手の信頼感を得るには、すっきりした姿勢は大きな武器になりますが、この信頼感を揺るがし、実年齢よりも老けて見られる要因の1つになるのが「ねこ背」です。

 

ねこ背は、無理に背筋を伸ばしたりしても治りません。背骨の根元にあたる股関節が硬くなっていることで、腰が丸まってしまいます。例えるなら、股関節は『身体の土台』です。股関節が硬くなって腰が丸まった状態は、基礎工事をしていない土地にビルを建てたようなもので極めて不安定です。開脚に取り組むことで身体の土台、つまり股関節に柔軟性が出てくれば、安定性のある体勢に調整しやすくなり、背筋が正しい状態に収まってきます。

股関節に適度な柔軟性があれば、姿勢を保つのもラクになります。開脚を通じて姿勢をよくしていくことで、より若々しく見られるようになります。

 

 

【腰痛で悩んでいる方にも】

腰痛にも効果があります。腰痛で悩んでいる方がいると、まずお尻の筋肉が硬くなっていないかを疑います。お尻の筋肉が硬くなり、突っ張ることで、腰に痛みが生じているのです。

この場合は安静にしていても改善しません。動いたほうがいい。筋肉を動かすにあたっては「筋トレしてください」と言われることも多いのですが、まずは縮まってしまっている筋肉の長さをストレッチで元通りに戻すことが先決です。

特に、朝起きたときに腰に違和感があるという方は、前日の就寝前に開脚を通じたストレッチを行うのがオススメです。朝起きたときの身体の具合の良し悪しは、前日の身体の動かし方の結果です。前日にストレッチしておけば翌日の痛みは軽減されます。

 

【開脚すると疲労回復】

病気でもないのに慢性的に疲れている方は、「身体を動かしていないから疲れている」可能性が高いです。特にデスクワーク中心のビジネスマンの場合、頭は使っていても身体はあまり使っていません。長時間、座位の姿勢をとり続けていると、身体の筋肉は硬くなり、筋肉の中を通っている血管やリンパ管が圧迫されます。これが「疲れ」の原因となります。

スポーツの世界には「アクティブレスト」という言葉があり、日本語で「積極的休養」などと訳されます。たとえば、アメフトの選手が試合翌日にあえてウォーキングなどで身体を動かし、疲労回復につなげるという手法がこれですが、開脚を行って血流が促されることでも、疲労を癒やすい効果が得られるのです。出張での長時間のフライトや時差ボケが生じたときなどに、あえて身体を軽く動かしたほうがラクになるというのもこの例です。

 

【開脚するとメタボ解消】

開脚には意外な効果もあります。開脚をすると結果的に身体が軽くなり、動きやすくなります。例えば、階段の上り下りがラクになれば、以前よりも積極的に階段を使おうという意識が働くようになり、結果、活動量が増えて脂肪が燃焼する効果を期待できます。

お腹が出てメタボを気にする中高年男性のうち、腹筋運動や体幹トレーニングでダイエットを試みようとする方も多いのですが、それよりも開脚動作を通じて股関節周りをリセットしてあげる方が大切です。

姿勢が改善するだけで、ある程度お腹が引っ込むことにもつながります。筋トレをするなら、そのあとでも全然遅くはないのです。

男性の場合、積極的に日々運動している方と、まったく運動しない方が極端に二分される傾向があります。身体の不調が出たり、太ったりしてから慌てて運動を始めようとする方もいますが、やはり普段から少しでも身体を動かしておきましょう。こんな状況で、手軽に取り組める「開脚」はまさにうってつけなのです。

何も無理に180度開脚を目指さなくても大丈夫です。人間の身体には「参考可動域」という、関節がどのくらいの角度まで動くかの指標があります。じつは、股関節の参考可動域は左右45度ずつで、合わせても90度です。つまり、180度開脚の半分もできれば日常生活ではほぼ支障のないレベルであり、それ以上は「できる範囲」でやっていきましょう